【絶対的個性:小ささ】SONY SEL50F25G【レンズレビュー】

2021年4月に発売されたSONYの小型軽量単焦点レンズ・SEL50F25G。発売直後、大して使用もせずにレビューなどという野暮なことはせず、テレビ屋である筆者が、1年近く様々なところに SEL50F25Gを連れ出して使ってみた上でのレビュー解説。

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▼SONY SEL50F25Gとは

SONYから発売されたEマウントのGレンズ。「小型」かつ「軽量」であることを全面に押し出したモデル。それでいて「Gレンズ」の名にふさわしいボケ感・高画質を実現しているレンズ。同じ日に同サイズの鏡筒でSEL24F28G / SEL40F25G / SEL50F25Gという焦点距離の違う3つのモデルが発売された。 SEL50F25はその三兄弟のうちの一つで、焦点距離FE50㎜、開放F値2.5のレンズとなっている。価格は税込み¥79,200(※2022年1月時点でのヨドバシカメラの販売価格)

▼SONY SEL50F25Gの特徴

▽小型・軽量

なんといってもその小ささ・軽さは目を引く。本当にGレンズなんだろうか?と疑問になるほどそのサイズは小さい。「レンズ」というより「何か別のおもちゃ」のようなサイズ感。

  • フィルター径:Φ49mm
  • 最大径:68mm
  • 全長:45mm

基本的な鏡筒のサイズはSEL24F28G / SEL40F25G / SEL50F25Gすべて同じになっている。

SEL50F25Gの重さは約174gで、 SEL24F28G / SEL40F25G / SEL50F25G の三兄弟の中では誤差の範囲ながら最も重量が重い。1個200gのリンゴより軽いレンズだ。

全長も45㎜と非常に短く大判焼きみたいな見た目をしている。

SONYのコンパクトなボディでお馴染みのα7cと組み合わせて“気軽にスナップを楽しんで!”という開発者からのメッセージがこの「小型」「軽量」という鏡筒に込められている。

▽デザイン

前述で、そのサイズ感が「まるでおもちゃのようだ」としたが、デザインは決して“おもちゃのようではない”。外装・フードにはアルミニウムを使用しているため決して「チープでおもちゃのよう」ではなく、Gレンズらしい高級感がある。

▽画質

懸念されるのが、小型・軽量さを優先させた結果、画質やボケ感がイマイチなものになっているのでは?という点。F値も1.4や1.8が当たり前の他の単焦点レンズと比べれば、“数値上”はどうしても控えめに感じてしまう「開放F値2.5」・・・。

※ILCEILCE-7RM4_f/2.5_1/1250秒_ISO‐250/補正あり

しかしそこはさすがGレンズの名前を冠しているだけあって妥協はない。画面全域で湾曲収差や色収差を抑えながら鮮明な描写が出来る「小さいくせにパワフル」なレンズだ。

※ILCEILCE-7RM4_f/2.5_1/1250秒_ISO‐250/補正あり
※ILCEILCE-7RM4_f/2.5_1/800秒_ISO‐250/補正あり

▼ SEL50F25G の使用感

▽軽さこそ正義

使用していて一番に「メリット」として感じるのはもちろんその「軽さ」。カメラを構えたときに感じるのはほぼカメラのボディ本体の重さだ。これはカメラの全長が45㎜という短さも影響していると思う。レンズ部分の重さを支えないと!という力を加えている感じがしない。

筆者はα7RⅣを愛機として使用しているが α7c と組み合わせればより軽くなり「毎日でも持ち歩きたい」手軽を実現するだろう。

またフルサイズのカメラを購入したのはいいけど、それを持ち歩くこと自体が億劫になり結局コンデジやスマホで済ませてしまっている週末カメラマンも多いのではないだろうか?

防湿庫で【冬眠】してしまっているフルサイズのカメラをもう一度外に連れ出すきっかけになる軽さが SEL50F25Gにはある。

▽オートフォーカス性能(AF性能)について

このレンズの一番の特徴はコンパクトさからくる「取り回し」の良さだ。取り回しが良いのにもかかわらず、AFでダラダラされたのではこのレンズの良さが失われてしまう。

そしてこの SEL50F25G は小さいからといって、ダラダラとフォーカスをあわせたりはしない。「あ、これを撮りたいな」と思って、被写体にカメラを向けシャッターを切れば“ジュワッ”とフォーカスをキッチリあわせてくれる。

ハード面において「コンパクトであるからの取り回しの良さ」と、ソフト面において「AFが素早く決まる事からの取り回しの良さ」を兼ね備えているのだ。

小さいながらその中にリニアモーターを2基搭載することで、高速・高精度なAFを実現しているという。

フォーカス面で言えば、レンズ側のスイッチでのAF/MFの切り換えに対応しているので、被写体から目を離すことなく切り替えが可能なのも嬉しい。

▽ 焦点距離FE50㎜という億劫さ

焦点距離FE50㎜というのは“人の視野に近い”とされている標準的な焦点距離である。つまりは「画角の広さが人の視界に近い」ということだ。

撮りたいと思う被写体に、きっちり寄れって撮れ、シャッターを切ったときの仕上がりが「自分のフォーカスをあてたサイズ」に近いのだ。

ただし近年のスマホカメラが発達、みなさんが使用しているスマホカメラのほとんどが「驚くほど広角で撮れるカメラ」となっているはずだ。このスマホの発達によって、“人間のイメージしている「人の視野」”に変化やズレが起こっていると思っている。

何が言いたいかというと、「普段スマホで写真を撮っている人が、“標準的な焦点距離”という言葉通りにこのレンズを買って写真を撮っても違和感がある」ということだ。つまりは「画角が狭く感じる」はず。

画角が狭いのであれば、被写体から離れればいい。しかし実際建物の構造上だったりの問題で離れられなかったりする場合も・・・。その時はこのレンズ1本では撮影を楽しみ切れないシーンも多少存在してしまう。

★大阪城撮影時

大阪城はお堀の関係で、この角度から撮影する場合被写体を離れるのに限度があり、広角なXperiaのカメラと SEL50F25Gでは如実に画角に差が出てしまう。

※SEL50F25Gにて撮影/画像補正なし(撮って出し写真)/ILCE-7RM4・f/8
※Xperia 5 SO-01Mにて標準画角で撮影(補正なし)

なのでもしカメラを1から始める方や、単焦点レンズに初挑戦する方はまずSEL50F25Gではなく、 焦点距離FE40㎜と少しだけ広角撮影の可能な SEL40F25Gを選んでみても良いかもしれない。

▽暗所性能は・・・まぁこんなもんか!

筆者が高画素機である α7RⅣ を使用していることもあるが、暗所についてはまぁこんなもんかという感じはある。RAW現像はマストかなーという印象だ。

※ILCEILCE-7RM4_f/2.5_1/60秒_ISO‐1000/補正あり

▼レンタルサービスによる試写のススメ

文章上はどちらがオススメというのはいくらでも書けるのですが、実際レンズというのは全てに一長一短が存在します。ズームレンズ、単焦点レンズ、マクロ、望遠・・・その用途が違うならなおさら。

その上で自分の撮影スタイルに合っているレンズを購入する上で一度レンズをレンタルして使用してみることをおススメします。

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